転換期の悩み 4
ワトソンニ世が本格的組織改革に手をつけたのは、1956年6月、父の死のあとでした。
同じ年の11月、バージニア州ウィリアムスバーグに、100名を超える幹部職員が招集されました。
その3日間に及ぶ会議で、新しい組織がはじめて示されました。
それは、従来のワンマン経営の集権的職能部門制とは180度異なる、分権的事業部制でした。
このような新しい組織構造のもとで、父の影響力から解放されたワトソンニ世は、はじめて自らの地位を確立することができました。
そればかりでなく、新しく形成された技術者集団と伝統的な営業マン集団は、起こりつつあった技術革新に立ち向かうために融合し、協力したのです。
事実、技術革新は急速で、新たにトランジスタが真空管に代替すると、コンピューターの発展は第一世代から第二世代へと移行しつつありました。