転換期の悩み 2
強力な営業陣に任せれば、商売は成り立っていました。
これに対し、コンピューターの時代は、なお深い霧のなかにあったし、またそれだけに、高度な科学技術のみがその未来を開く鍵であることは明らかでした。
こうして父と子の間の心の葛藤は、日を追って激しくなっていきました。
そのころ、ちょうど朝鮮戦争が起こりました。
第二次大戦のときと同じように国家に奉公しなければと考えたワトソンは、長男にききました。
「どうしたらご奉公できると思うかね」。
息子は心中「しめた」と思ったにちがいありません。
しかし彼は慎重に一応調査を行った上で、「軍部ではコンピューターを必要としていますよ」と復命しました。
レミントン・ランドに明らかに2年のおくれをとっているIBMは、一刻も早く、このおくれを取り戻さなければなりませんでした。
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