転換期の悩み
「レミントン・ランドとUNIVACは、この結論に決断を下し、競争に飛び出したのである・・・。」
もちろん、この間にIBMが眠りこんでいたわけではなかったのです。
しかし、新しい機械1ーコンピューターが登場しても、古い機械ー電気的計算機をこれに簡単に取り替えるわけにはいかない事情がありました。
まだ在来のカード・パンチ式機械で儲かっていましたから、まだ海のものとも山のものともわからないコンピューターの開発には、稀代のセールスマンといわれる老ワトソンは関心がなかったし、同社の強力な営業陣も反対でした。
しかし、息子のワトソンの方は若いだけに、次第にコンピューターの将来性について認識が深まるにしたがい、これに傾倒するようになっていました。
それとともに、彼はだんだんいても立ってもいられない気持ちが強くなりました。
機械もさることながら、コンピューターの開発には多くの科学者や技術者が必要だったからです。
父の時代には技術者は、せいぜい40人ぐらいで事が足りました。