「広い世間」の拡大と地域でのもめごと 2
「旧住民」から「新住民」をみると無愛想で非協力にみえ、「新住民」から「旧住民」をみると閉鎖的で押しつけがましく思えるのです。
しかし、そうした反感は、基本的には心(情)通うが遠慮の要る人間関係の形成がうまくいっていないことに根ざしているといえます。
こうしたもめごとは地域社会における「広い世間」の相対的拡大から起こった無視できない事象であることができます。
「赤の他人」同士が集まって暮さざるをえない以上、どのように折り合っていくか、そこに大切な地域社会の課題の一つがあるといえます。
このようなもめごとやトラブルを関係住民が自分たちで解決できず、警察を含む役所の関与を要請しなければならないとすれば、役所に対する住民の依存は増大していきます。
もし関係住民が役所に依存しなくとも対立や争いを解決できれば、住民はみずから秩序を形成する主体となり、異なった都合なり利害なりをもつ個人の問に共存関係を平和的に創り出すことになります。
そうすれば、秩序はたんに維持されるべきものでも、あるいは外(役所)から強制力を背景におしつけられるものでもなく、内から自発的に創り出すものとなります。