「広い世間」の拡大と地域でのもめごと
都市化が進み、「赤の他人」同士が軒を接して暮すようになると・・・
現に住んでいるところを「仮りのすみか」と考えている人びとでも、地域での「共住」のゆえに、日常生活上、具体的な利害関係をともなう各種の問題に直面します。
近隣騒音公害、土地の境界確定、家屋建築をめぐる日照問題、子どもの交遊における仲たがい、ゴミ出しのトラブルなど・・・
いわば玄関を一歩外に出た近隣の生活関係をめぐる対立や争いは少なくないのです。
例えば、通学班で子どもたちが一緒になる、ゴミ収集所を当番で清掃する、ドブ掃除を町内で行う、痴漢・放火・空巣が出れば互いに注意をよびかけ合い巡回に出るなど・・・
事実としてなんらかの関係をもつ必要が生じても、なかなか呼吸が合わない、協力がうまくいかない、ささいなことでトラブルが起こり、事態が険悪になったりもします。
「広い世間」が拡大すれば、争うのはいけない、みんな仲良くという「和のイデオロギー」の神通力痂も衰退するから、「狭い世間」を形成してきた地付きの住民(「旧住民」)は「広い世間」の拡大(「新住民」の増加)を警戒しうとんずるようにもなります。
・・・こうして、「広い世間」の内で、あるいは「広い世間」と「狭い世間」の間でいろいろなもめごとが生ずることになります。